【飲食店開業やめとけ】脱サラの9割が失敗する現実を現役経営者が解説

やめとけ。脱サラ飲食店の9割が失敗する

Coco Bowlsという飲食店を宮崎県で経営しているこーせーです。

飲食店を開業することは、多くの人にとって夢のひとつですが、実際に成功するまでの道のりは険しいものがあります。

業界の厳しい現実に直面し、数多くの開業者が失敗に終わる中で、どのようにすれば開業を成功に導くことができるのでしょうか?

本記事では、飲食店開業に失敗する主な理由をはじめ、準備や計画、やめておいた方がいい理由などをまとめました。

この記事は、

  • 脱サラしたいけど飲食業って実際どうなの?
  • 飲食業の失敗率って?
  • 失敗確率を下げるには?
  • 独立したいなら別事業も視野に入れる

という方におすすめです。

ではいきましょう!

飲食店開業の現状の失敗率

飲食店経営の失敗率

まずは飲食店の失敗率とその理由を見ていきましょう。

飲食店開業の現状と統計


飲食店開業は、多くの人が挑戦するものの、ほぼ失敗に終わります。

帝国データバンクによると、コロナ禍前の2018年度であっても1180件の飲食店が倒産や休廃業・解散をしたという報告があります。

2018年度(2018年4月~2019年3月)の倒産、休廃業・解散の合計は1180件(前年度比7.1%増)となり、東日本大震災が発生後の2011年度(1134件)、リーマン・ショックが発生した2008年度(1113件)を上回り、2000年度以降で最多を更新した

引用データ元:https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p190602.html

また、脱サラや未経験者による飲食店は3年以内に90%が廃業すると言われています。


飲食店開業の失敗率が高い理由は、さまざまな要因が絡んでいますが、主なものとして以下のようなケースがあげられます。

  • 好立地の物件を契約したものの、賃料が高くて利益率が悪く、リピーターを掴めずに半年で廃業した居酒屋
  • 自己資金が少なく多額の借入をしたものの、カフェに関するノウハウも経営の知識もなく、お金の管理ができずに廃業したカフェ
  • 調理師としてのこだわりで厨房設備や調度品に多額の費用をかけたものの、開業時点で借金が多く、5ヶ月後に資金繰りに困って廃業した洋食店

飲食店開業の失敗率や理由を具体的に示すために、以下に表を作成しました。

表では、2018年度に倒産や休廃業・解散した飲食店の件数や割合、地域別やカテゴリー別の傾向を見ることができます。

引用データ元:https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p190602.html

項目件数割合
倒産44037.3%
休廃業・解散74062.7%
総数1180100%
地域件数
東京192
大阪126
愛知84
カテゴリー件数
アルコール提供店舗(居酒屋など)406
中華料理店97
西洋料理店93


以上のことから、飲食店開業は高い失敗率にあることがわかります。

コウセイ

ちなみにコロナ禍まっただなかの2021年には給付金などの対策があったこともあり、2019年よりは倒産件数は減少している模様です。ただ、コロナ明けの2023年以降も生活様式の変化や人手不足・原価高騰などを加味すると飲食店の倒産件数は高水準のままと予想されます。

飲食店の経営に失敗する7つの主な理由

飲食店経営の失敗理由7選

飲食店は開業後2年以内に約60%が潰れてしまうと言われています。

これは、さまざまな要因が重なって経営が難航してしまうためですが、多くの廃業率が高い飲食店として以下の7つの主な理由が挙げられます。

  1. 初期投資をかけすぎる
  2. 固定費をかけすぎる
  3. 経営ノウハウを知らない
  4. 資金調達がうまくできない
  5. 人手が足りない
  6. ムダなこだわりが強く、自分本位の店舗づくり
  7. 集客方法を知らない・実践しない

それぞれ詳しくみていきましょう。

①初期費用をかけすぎる

初期投資が大きすぎると、収益が上がっても投資額を回収するまでに時間がかかり、経営が厳しくなります。

飲食店の開業費用は場所や規模によって大きく異なりますが、初期投資が大きいと利益が出るまでに時間がかかるため、資金繰りが厳しくなる可能性があります。

内装や設備にこだわりすぎたり、「私ならやれる」という根拠のない自信が強すぎて開業資金が膨らんでしまうケースがあります。

根拠のない自信も一歩目としては大切ですが、実際に事業を起こす際は根拠のある自信の方が大切です。

必ずスモールスタートが鉄則です

②固定費をかけすぎる

飲食店の固定費には家賃や人件費、光熱費などが含まれますが、これらが高いと、売上が上がっても利益が出にくくなります。

起業初期段階では固定費を極限まで抑えることで、経営が安定しやすくなります。

むしろ、固定費がかからなければアルバイトしながら生活費を稼ぎ、店の経営も続けることができます。

極論「固定費がない=潰れることがない」といってもいいくらいなのです。

こーせー

僕が独立したのは初期費用、経費、固定費の低いブログアフィリエイトからでした。それに比べ飲食店はお金だけを見た場合、初期日費用も経費も固定費もかかる利益率が低いビジネスモデルといえます。

③経営ノウハウを知らない

飲食店といっても、事業を経営することは変わりません。経営ノウハウがないと、どれだけ美味しい料理やサービスがあっても経営が成り立たちません。

例えば、飲食店経営では 原価管理と人件費管理(FL管理)がもっとも重要ですが、ここが管理できていなければ経営が安定しないのです。

経営ノウハウは飲食店はもとより、すべての事業を行ううえで、もっとも大切なことの一つです。

④資金調達がうまくできない

資金調達が上手くできないと、開業資金や運転資金が足りず、経営が厳しくなります。

飲食店開業には多額の資金が必要ですが、資金調達がうまくいかないと、開業資金や運転資金が不足し、経営が難航することがあります。

銀行や公的な融資が受けられなかったり、そもそも自己資金が不足している場合があります。

現在であればクラウドファンディングなども一つの資金調達の方法です。

適切な資金調達方法を見つけ、資金繰りに注意して経営を行うことが重要です。

コウセイ

ちなみに僕が飲食店をオープンした時は、自己資金、日本政策金融公庫からの融資、クラウドファンディングで設備資金と運転資金を用意しました。

⑤人手が足りない

一人で完璧に回せるお店でしたら問題ありませんが、そんなお店はなかなかありません。

飲食店は「人」で成り立っている部分が大きい事業のため、人手が足りないと、サービスの質が低下し、お客様が離れてしまうことがあります。

人手が足りないと、自分自身やスタッフが過労になり、サービスの質が低下したり最悪の場合、サービスが提供できなくなる可能性もあります。

お店のサービスをお客様に提供しつづけられるよう、適切な人員を確保し、サービスの質を維持することが重要です。

コウセイ

もしくは人がいなくともサービスの質を維持できる仕組みを導入する必要がありますね。

⑥ムダなこだわりが強く、自分本位の店舗づくり

飲食店経営だけに限らず、ビジネスにおいては、お客様のニーズに応えることが重要です。

ビジネスの考え方に、市場のニーズに答えた商品を提供する「プロダクトイン」。

やりたいこと、世の中に出したい商品を提供する「プロダクトアウト」という言葉があります。

プロダクトアウト、いわゆる自分のこだわりだけで店舗を作ってしまうと、お客様が求めるものとずれてしまい、集客が難しくなることがあります。

ビジネスを続けていくにはプロダクトインの考えを持っておき、お客様のニーズを把握し、柔軟に対応することが大切です。

⑦集客方法を知らない・実践しない

飲食店経営において、集客は非常に重要です。

美味しいだけではお客様は来てくれません。

SNSや広告を活用しないで、口コミだけに頼る経営がありますが、それだけでは集客が難しいことがほとんどでしょう。

店にあった効果的な集客方法を知り、実践することで売上を上げることができます。

飲食店開業に失敗しないための準備と計画

飲食店開業の準備と計画

事業に失敗はつきものですが、避けられる失敗は避けていきましょう。

お店を出す前に準備しておくことを

  • 飲食店のコンセプトを明確にする3ステップ
  • 事業計画を策定する

にまとめました。

飲食店のコンセプトを明確にする3ステップ

飲食店を開業するにあたって、コンセプトをオープンする前に考えることはとても大切です。

コンセプトのない特に個人の飲食店は、メニューに統一感がなくなったり、その他大勢の店の一つに埋もれがちです。

ここではコンセプトを考えるためのステップを紹介します。

STEP

市場調査と競合分析を行う

市場調査と競合分析を行うことで、成功する飲食店のコンセプトを立案できます。

自分の店舗が他と差別化できるかどうかを把握し、お客様が求める価値を提供できるコンセプトにすることで失敗する確率を下げてくれます。

近隣の飲食店や人気店を調査し、そのエリアでのニーズや競合状況を把握することが重要です。

STEP

7W2Hの視点でコンセプトを考える

7W2Hの視点でコンセプトを考えることで、具体的で実現可能な計画を立てることができます。

7W2Hは、What(何を)、Why(なぜ)、Who(誰が)、Where(どこで)、When(いつ)、Which(どれを)、Whom(誰に)の7つのWと、

How(どのように)、How much(どれだけ)の2つのHからなる問題解決のフレームワークです。

例えば、僕が経営しているCoco Bowlsは

  • 高タンパクでヘルシーな食事を (what)
  • 外食で食べられる店が少ないため (why)
  • ボディメイク大会で入賞経験のあるオーナーが 、ダイエットしている人や健康志向が高い人に(who)
  • 宮崎市の中心で (where)
  • 2019年から (when)
  • ワンプレート料理で (How)
  • 1500円前後で提供する (How much)

店となります。

このように、7W2Hを用いてコンセプトを考えることで、独自の強みと差別化を図ること可能となります。

※7W2Hは、必ずしも全て当てはめるわけではなく、事業によって必要な要素を追加することが重要とされています。

STEP

商標調査を行う

商標調査を行うことで、トラブルを回避し、ブランド力を高めることができます。

商標登録されている名称やロゴを使用してしまうと、権利侵害となり、のちのちにトラブルに発展する可能性もあります。

類似の店名やロゴを使用している他の店舗を調査し、既に商標登録されているかどうかを確認しましょう。

簡易の商標検索はこちらの特許庁サイトから検索できます。

以上のステップを踏むことで、独自性のあるコンセプトをもつお店を作ることができます。

事業計画を策定する

ビジネスインフルエンサーの中には「事業計画なんて必要ない」という人もいますが、実際に飲食店を開業して思うのは、僕みたいな一般人が事業を始めるには事業計画はめちゃめちゃ大切。ということです。

というのも、事業を始めるのには「根拠のない自信」と「根拠のある自信」が必要で、根拠のない自信は自分の中で持っていればいいですが、例えば融資を受ける場合や誰かを説得する場合、「俺ならできる!」の一点張りでは協力者は納得してくれません。

どういった理由で売り上げが上がり、どういった理由で利益が残る。という

つまり、数字を使い「根拠のある自信がある」が必要なのです。

コウセイ

実際に飲食店を開業した後も、意外と事業計画の通りに進んでいきました。もちろん計画通りではないことも多々あります。


そのため事業計画は必ずしっかりと練っていきましょう。

根拠のある事業計画については下記にまとめました。

資金計画と資金調達方法を決める

資金計画を立て、適切な資金調達方法を選択することで、飲食店開業のリスクを減らすことができます。

資金繰りが滞ることが飲食店経営の失敗要因の一つであるため、資金計画は重要です。

自己資金、銀行融資、クラウドファンディングなど、資金調達方法を比較検討し、自分に合った方法を選択します。

資金計画を立て、適切な資金調達方法を選択することで、飲食店開業のリスクを減らし、成功につなげることができます。

売上予測と経費予測を立てる

売上予測と経費予測を立てることで、事業運営におけるリスクを把握し、効果的な経営判断が可能となります。

売上と経費のバランスが悪い場合、飲食店経営は破綻しやすくなるため、予測は重要です。

過去のデータや同業他社の事例を参考にしながら、売上目標と経費予測を立て、効果的な経営判断ができるようにします。

売上予測と経費予測を立てることで、事業運営におけるリスクを把握し、効果的な経営判断が可能となり、飲食店開業の成功につながります。

収支計画書のテンプレートは日本政策公庫の「創業計画書」で作成すると、政策公庫からの融資にも使えるのでおすすめです。

撤退規準を設定する

事業を始める前から、事業失敗のことを考える?と思われがちですが、撤退規準を設定することは次の挑戦をするためにもとても重要です。

というのも適切な撤退規準がないと、損失を人生単位で挽回できないほど拡大させる可能性があるためです。

売上目標達成率、利益率、キャッシュフローなどの指標をもとに、事業を続行するか撤退するかの基準を設定します。

撤退規準を設定することで、事業の継続性や適切なタイミングでの撤退が可能となり、飲食店開業のリスクを最小限に抑えることができ、早急に次の挑戦へ移すことができます。

自由な生活を送りたい場合は少し遠回りになる

脱サラや自由が目的な別の事業も視野に入れる

飲食店とブログアフィリエイトで起業している身からすると、もしあなたが「時間も場所もお金も自由な生活が送りたい」と思い飲食業を選ぼうとしているなら、飲食店開業は少し遠回りになるかもしれません。

※もちろん人によって例外はあると思います。

関連記事⇒【好きなことを仕事にする】を6年実践して見えた楽しさ辛さを現役経営者が解説

飲食業をやることが夢とか目的な場合は、飲食業を選ぶことは正解だと思いますが、

  • 「なんとなく起業したい」
  • 「脱サラして自由になりたい」
  • 「後々には人に任せて自分は自由になりたい」

という理由でしたら、圧倒的にブログ起業の方が近道です。

ブログやネットで収益化できるようになると、時間も場所も縛られない生活は直結していますが、飲食業はそのためにクリアしなければならない課題が多いのです。

この記事をここまで読んで、それでも飲食業を選ぶ。という人は飲食業で成功する可能性は高いですが、「やめとけ」と言われて「やめようかな」と思うようでしたらやめておくのが正解かもしれません。

とはいえ、なにかしらで起業や独立したい。自由に生きたいと思う人には個人的には低リスクで始められるブログを強くすすめています。

稼ぐブログの始め方はこちらの記事にまとめましたので、もしよければ見てみてください。

まとめ

飲食店開業は魅力的ですが、失敗率も高いのが現実です。

僕自身も実際いつまで飲食業を続けられるかはわかりません。

この記事を読んで、失敗率が高いから止めておこうと思う人は飲食業は止めておきましょう。

それでも俺はやるんだという人は、飲食店のコンセプトを明確にし、事業計画を策定するのがまずは一歩目です。

  • 飲食店開業失敗の理由を把握する
  • コンセプトを明確にする
  • 事業計画を策定し、資金調達方法を選択する
  • 適切な立地選びを行う
  • 人材の確保と育成に注力する
  • 売上と利益の分析を行い、改善策を実行する
  • 顧客満足度の向上を目指す

これらのポイントを押さえ、計画的に進め、リスクを最小限に抑えることがとてもとても大切です。

飲食店開業のQ&A

飲食店開業に失敗する主な理由は、初期投資や固定費をかけすぎる、経営ノウハウが不足している、資金調達がうまくできない、人手が足りない、ムダなこだわりが強く自分本位の店舗づくりをする、集客方法を知らない・実践しないなどが挙げられます。

コンセプト作りのポイントとして、市場調査と競合分析を行い、ターゲットとなる顧客やニーズを明確にすることが重要です。また、7W2Hの視点で具体的な計画を立て、独自性を持たせることも大切です。

直球に言うと、「やめておいた方がいいと言われて、やめておこうかなと思うならやめておいた方がいい」です。「でも起業したい」という人には低リスクで始められるビジネスがおすすめです。

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こーせー(中森康成)3業種起業家
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・Nfor株式会社 代表取締役
・飲食店経営 Coco Bowls
・ブログ運営(月収益最高100万円)
・副業オンラインパーソナルトレーナー経験者
・サーフィン世界一周経験者(16か国)
・宮崎移住
・宮崎市移住アンバサダー
・2児の父

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